ハードウエア ハードウエア

  コンピュータはプログラムで動き、ワード、エクセル、パワーポイントなど実際にユーザーが動かすものは ユーザープログラムと呼ばれ、それを制御するWINDOWSやUNIXはシステムプログラムと呼ばれます。
これらプログラム全体をまとめてソフトウエアと呼びますが、これに対してコンピュータの機械そのものをハードウエア (金物)と呼びます。
ハードウエアは実際に計算を行う電子回路であるCPU、データを保存する記憶装置(メモリ)、外部とデータをやりとりする 通信制御回路などから構成され、プリンタやディスプレイ、キーボード、マウスなどの周辺機器も含まれます。

 当初、計算機はリレー(電磁スイッチ)を組み合わせて計算回路や記憶装置を作っていました。
リレーというのは電気で動かすスイッチで、昔の電話局では交換手(オペレータ)がスイッチを操作して、 電話を繋いていましたが、そのうちリレーで構成された自動電話交換機ができ、さらに現在では 電話線もデジタル回線となりコンピュータが電話の交換機の役目をしています。
下の写真は左がリレー計算機で右がリレーそのものです。

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 リレー計算機は計算素子がリレーであること意外は現在のコンピュータとほぼ同じ仕組みで、 その後リレーは真空管(注1)に置き換えられ、さらにトランジスタ(注2)、IC(注3)と進化して現在のコンピュータは LSI(注4)による電子回路で作られています。
LSIというのはわずか数ミリのシリコン片の上に何億ものトランジスタを作ってしまう技術で、 昔は体育館くらいの大きさがあったコンピュータセンターに入っていたコンピュータシステムと同じ能力の コンピュータが現在では机の上に乗ってしまう大きさになっています。
40年前に1台数億円したコンピュータシステムの能力は現在のノートパソコンや携帯電話くらいの性能ですし、 機器組み込み用チッププロセッサなら安いものは100円程度で入手できます。
これらの超小型コンピュータ(マイクロチップと呼ばれます)は電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機、デジカメなど あらゆる家庭電化製品の中に組み込まれていますが、 これらのマイクロチップは秋葉原などでも簡単に入手でき、旧ソビエト連邦のミサイルを分解したら 中から日本の家電用のマイクロチップが出てきたという話もあります。

コンピュータの部品は規格化されていて電気店や通信販売で容易に入手できるため、 昔は市販の部品を組み合わせてコンピュータを自作する人もよくいましたが、 現在では完成品を買ったほうがずっと安いのでよほど高性能マシンを好むマニアでない限り 自作はやりません。
自動車の構造を知らなくても自動車の運転はできます。しかしレーサーのように自動車の性能の 極限を追求するには自動車の構造を理解していなければなりません。
同様にコンピュータのハードウエアを知らなくてもワードやエクセルは使えますが、 高度なプログラムを作るにはハードウエアを理解している必要があります。

 昔は大型コンピュータ(いわゆるホストマシン)は計算センターのコンピュータールームに設置されていて、 専任のマシンオペレータという人が運用をしていましたが、このオペレータという職種は 離婚と精神異常が多い職業だったのです。
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それは24時間3交代という不規則な勤務時間、マシンを冷却するための強力な冷房の効いたマシンルーム、 そしてマシンの発生する強力な電磁波に常に曝されるという悪条件が重なっていたためと思われます。
今でもAMラジオをパソコンやデジカメの近くに持っていくとそれらの機器が発する信号音を聞くことができます。 ビルの中から漏れてくるプリンターのノイズを外から傍受して、それを使って内容を印刷することもできたそうです。 現在のコンピュータは自動運転か遠隔操作でマシンルームはあっても無人という場合がほとんどなので、 オペレータという職種は消滅しています。
また昔は一般ユーザーの使うパソコンや端末機もブラウン管ディスプレイが主流だったので、 このブラウン管が発生する電磁波も問題でした。 ブラウン管は真空管の1種で1万ボルト以上の電圧が必要なのですが、使う人にとっては 高圧線の直下に住んでいるようなものです。
大量の電磁波を放出するため、妊娠している人には胎児への影響を恐れて 電磁波を遮断する鉛繊維入りのエプロンを支給した会社もありました。
現在では液晶ディスプレイが主流なので電磁波は出ませんが、代わりに無線LAN環境となっているオフィスがあり、 もし無線ルーターに出力の大きなものを使っていると、電磁レンジとほぼ同じ周波数帯の電磁波(マイクロ波)に 曝されていることになります。
昔ソ連のMIG-25という戦闘機が函館に亡命してきて問題になりましたが、この飛行機のレーダーは地上で使うことが 禁止されていて、そのマイクロ波は300m先のニワトリを殺してしまうほどだったそうです。
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米軍や自衛隊のイージス艦が装備しているアレイレーダーも強力で、動かすときには乗員は艦内に退避するそうです。
それほど強力な電磁波ではなくても長時間浴びているとそれなりの影響は出てくるはずで、 高圧線の下に住む人が白血病になる確率は通常の100倍以上という統計データも 報告されています。
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社会問題となった有機水銀を原因とする水俣病やカドミウムを原因とするイタイイタイ病も最初は原因不明の奇病とされていました。
携帯電話や無線LANの電磁波は誰も気にしないのでまだ問題になってはいませんが、カナダでは子供の電波被爆は問題になっており、 携帯電話の普及が早かった米国では子供の腫瘍が増えているというデータもあります。
日本では総務省あたりが健康被害の調査をして問題なしとしているそうですが、 統計をやっている人ならすぐわかりますが、客観的なデータといっても棄却域を操作すればどんな結果でも導き出せます。
まだ日本では何十年も電磁波を浴び続けた人はいないのでわかりませんが、 24時間電磁波に晒されている今の子供たちが将来も健康であるという保証はありません。
もし将来も安全に暮らしたいなら電磁波の性質を知って自分たちで身を守る以外に対策はありません。
これは自分がどのくらい電磁波を浴びているか測定する装置です。 無線ルーターにくっつけたり、高圧線の近くにいくとメーターの針が振り切れます。
fieldmeter

注1:真空管

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真空管は現在のようなトランジスタが発明される前にテレビやラジオなどに使われていた電子素子です。
白熱電球のように真空の球の中にヒーターと電極が入っていて、 信号を整流や増幅する作用があり、抵抗器(レジスター)や蓄電器(コンデンサー) と組み合わせて電子回路を組むことができます。

注2:トランジスタ

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シリコンやゲルマニウムなどの半導体の性質を利用して整流や増幅を行う電子素子で、 真空管より小型軽量長寿命という特徴があります。
トランジスタ(transistor)はTransmission(伝達)とResistor(抵抗)を組み合わせた造語で、 発明者のウイリアム・ショックレー達3名のアメリカ人はノーベル物理学賞を受賞しました。
その後ソニーで江崎ダイオードを発明した江崎玲於奈もノーベル賞を受賞しましたが、 アメリカに渡ってIBMの研究員となり、また青色発光ダイオードを発明した中村修二もアメリカに 渡って大学教授となっています。
ノーベル賞受賞者や優秀な医者など優秀な日本人がアメリカで業績を上げることは多く、 頭脳流出の原因が日本の企業や大学の体質にあることは明らかです。
東南アジアなどの学生がアメリカに留学することは多のですが、閉鎖的体質の日本にはあまり来たがらないといいます。
第二次大戦後の復興や東日本大震災のときにも一切治安が乱れなかったことなど 勤勉さや誠実さなどに世界が驚くことも多いのに最近は教育レベルが下がっていることも事実です。
島国単一民族という日本の特質もあるでしょうが、もう少し外部に開かれた社会にしていく必要があると思います。

注3:IC

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Integrated Cirquit(集積回路)の略で、1片の半導体上に多くのトランジスタや抵抗などの電子素子を生成して、 回路を組んでしまうものです。
この集積技術が向上してLSIが作られるようになりました。

注4:LSI

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LSIはLarge Scale Integration(大規模集積回路)の略で、 現在では1片数ミリのシリコン片上に億単位のトランジスタを生成し 複数のコンピュータを作ってしまうこともできます。
地球シミュレータやスーパーコンピュータ「京」などこの技術も世界に誇るものがあるのですが、 最近のLSIの生産はマレーシアやインドネシアなどで行われ、開発でも台湾や韓国に追いつかれています。
技術者を大切にしないため、ここでも人材流出が起きているのです。
日本の会社の役職定年などで冷遇された技術者を台湾や韓国が高給で引き抜いているのです。
退職時に秘密資料の持ち出しは法律で防げても、発想力や技術力を法律で縛ることはできません。
スーパーコンピュータ開発の予算をめぐり「2位や3位じゃいけないんですか」といった大臣がいましたが、 やはり技術のない者に技術者の仕事は理解できないということでしょう。